独立系本屋『CafuneBooks(カフネブックス)』開業の経緯。開店して4ヵ月後の今

本棚を手作り
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こんにちは!
カフネブックス店主の池野花(@cafunebooks)です。

2019年2月に、小さな独立系本屋『CafuneBooks(カフネブックス)』をオープンしました。

開店するまでに多くの方に応援いただきました。
そのときに、よく聞かれた質問がいくつかあります。

「なぜ、本屋を始めたの?」
「カフネブックスって、どんな本屋なの?」
「実際にオープンしてみて、どうだった?」

その答えを、この記事にまとめました!

カフネブックスは渋谷から一駅の、こじんまりとした独立系本屋

カフネブックスに来たことがない方もいると思うので、カフネブックスについて少しご説明を。
まず、場所は田園都市線の池尻大橋駅。どこにあるのかわからない方が多いと思うのですが、実は渋谷駅から一駅。
意外と便利な場所です。(急行は止まらないのでご注意ください)
近くには、中目黒まで続く目黒川が流れていて、桜の季節はとてもキレイです。

目黒川の桜

このように、お店の立地を話すと「家賃、高そう!」とよく言われます。
しかし、実は立地のわりに家賃は割安。
なぜかというと、「レインボー倉庫」というシェアアトリエの一室にある店舗で、広さ6平方メートルほどのこじんまりとした本屋だからです。
動画だと、こじんまり感がよく伝わると思います(笑)

カフネブックスが目指すのは温かい交流がある本屋

カフネブックスとして目指したい姿は、「カフネブックスに来ると、くつろげてホッとするよね」と言ってもらえるような温かい交流のある本屋になること。
近隣の方から認知されて、帰宅前にフラッと立ち寄りたくなる空間でありたいと思っています。

お店のサイズ感としては、本を置くスペースがもう少し広くなって、もう一部屋イベントやコワーキングできるスペースがあるのが理想です。
まずは、今のお店が常にお客様でワイワイするくらい、盛り上げていきたいです!

では、次によく聞かれる「昔から本屋をしたいと思っていたのか?」という質問への答えを書いていきます。

本屋をやりたいと思い始めたきっかけは、2018年8月にかもめブックスに行ったことだった

実は、本屋をやりたいと思い始めたのはごく最近で2018年夏のこと。

2018年8月30日。
ふだん、フリーライターとして生計を立てている私は、電車に乗って取材先に向かっていました。
ところが、移動中に「今日の取材は中止です」という連絡が。取材の当日キャンセルはめったにないので驚きつつ、ぽっかり空いた時間を何をして過ごそうか考えていました。
そのとき、東西線に乗っていて、飯田橋に到着したタイミング。

私は隣駅の神楽坂に、『かもめブックス』という行ってみたい本屋さんがあることを思い出しました。
かもめブックスは、校正会社である「株式会社 鴎来堂 (おうらいどう)」さんが運営している本屋さん。

本の文脈に合わせた棚づくりをしている本屋さんで、小説なども作家別ではなくテーマや展開別に並べられています。
いつもなら手に取らない作家さんの本に出会えて、楽しい時間を過ごしました。
元々取材予定だった私のリュックにはカメラとパソコンが入っていて、なかなかの重量でしたが、気になる本がありすぎて5冊も買ってしまったほどです。
(かもめブックスさんについては、こちらの記事で紹介しています)

かもめブックスさんが本好きの私の気持ちをウキウキさせてくれたのはもちろん、その日買った本の一冊が私の本屋への興味をグッと高めてくれました。
その本は『私の古本屋』。岡山県にある「蟲文庫(むしぶんこ)」という古本屋の女性店主である田中美穂さんの著書です。
20代で古本屋を始めた田中さんが、古本屋を運営しながら考えたことや、本を通じたお客さんとの交流について語っています。

仕事柄取材をしていて、いつも思うのですが、人は好きなものを語るときが一番活き活きとしています。
そんな風にパッと花が咲いたように、人が何かを語る瞬間が私はとても好きです。

そして、相手の好みがわかれば、その人の内面を少し理解できて距離が近づいた気がする。
私にとって、好きな本を誰かと語り合うことの面白みはそこにあります。
そんな交流が生まれる本屋さんができたら面白そうだな、と考え始めました。

また、職業柄インタビューする方の本や知識やノウハウを得るためにビジネス書を読む機会は多いですが、それは必要だからする読書という感じ。
小学校の頃、休みの日に図書館に行って夕方になるまで夢中で本を読んでいたような、本に没頭するような体験をしたいと思うようになりました
そこで、かもめブックスさんだけでなく、「独立系書店」と言われる個人の店主さんがセレクトした本をおいている本屋さんを巡りはじめることにしたんです。

ステキな本屋さんをめぐるうちに、さまざまな形態の本屋があることを知りました。
土日だけ営業している本屋、本業をもちながら副業として本屋を運営している店主さんの存在。
フリーランスの私は、「こういう感じなら自分でもできるかも。いつか自分の本屋をやりたいな」と少し具体的に考えはじめます。
すぐにオープンする気はなかったのですが、興味をもったことはすぐ調べたくなる性質なので、本屋さんをオープンする方法について調べ始めました。

本屋さんになりたい人のための講座『本屋入門 SWITCH(スイッチ)』を受講

本屋をオープンする方法を調べるうちに、探し当てたのが『本屋入門 SWITCH(スイッチ)』という講座でした。
本屋入門 SWITCHは、赤坂にある『双子のライオン堂』店主の竹田さんと、本屋ライターである和氣さんが運営しています。

最近の独立系書店のオープン事情や、本の仕入れ方法、自分の理想の本屋を考えるワークなど盛りだくさんの内容。
この講座を受けたことで、「本屋さんやりたいなぁ!でも物件を借りて固定費が増えるのはハードルが高いよな」という心境になり、少しずつ本屋の開店が現実味を帯びてきました。

出会うべくして出会ったレインボー倉庫

そして、テナント料について調べ始めます。
自宅のある田園都市線や東横線などの沿線では基本的に10万円以上の物件ばかりで、初期費用は100万円を超えます。
「やっぱりお店をやるって現実味がないかな」とあきらめかけていた私が探し当てたのが、池尻大橋にある『レインボー倉庫』だったんです。
家賃は月額6万円ちょっと、初期費用はすべて合わせても20万円台でした。

「ライターとしての仕事場兼本屋として借りると考えれば、出せなくない値段かも」

でも、最後まで不安だったのは、「本当に毎月6万円以上の家賃を払っていけるのか?」ということ。
やってみたい気持ちと不安の板挟みになった私は、メリットとデメリットの整理をしてみることにしました。

書き出してみると、デメリットはテナント料が払えるか、お店を続けていけるのかという不安ばかり。
逆に言えば、「やってみてダメなら閉店すればいいだけだ!」と考えた私は、今度は本屋をやる理由を探し始めます。

「今始めないと、あとできっと後悔する」
「ええい!やってしまえ!!」

というわけで、レインボー倉庫を契約しました。
このとき、2018年11月5日。本屋をやりたいと思い始めて2ヵ月ちょっと経過したところでした。
そして、さっそくブログで「本屋を開業することにしました!」と報告。

開店資金をどう準備するか

開店を考えた私は初期費用を試算し始めました。

  • 物件を契約する初期費用 約23万
  • 本の仕入れ 約30万円〜
  • オリジナルブックカバーやしおりの制作費 約10万円~
  • 本棚や机、椅子など本屋備品 約10万円

「自己資金ギリギリでなんとかいけるかな…」と思っていた私に、前職の同僚でクラウドファンディング経験者の知人がこう言いました。
クラウドファンディングをすると、お店の認知度アップにつながるし、ファンづくりもできるよ!

しかも、当時通っていたTLIビジネスという講座の同期に、クラウドファンディングのコンサルティングをしている人がいました。
これはと思い、さっそく相談してすぐにクラウドファンディングを始めることにしました。

クラウドファンディングを成功させるための掟

友人から教えてもらったポイントは、主に以下3つ。

  • 初日に30%の達成(事前に知人や友人にお願いする)
  • リターンは、投資したくなるようなお得感のあるものにする
  • SNSでの拡散は終了日まで毎日行うこと

これらのポイントを押さえながら、2018年12月3日、目標額を50万円に設定してクラウドファンディングを開始しました!

ちなみに、リターンとしては以下のようなものを用意しました。

  • 本の選書
  • 独立系書店巡りツアー参加券
  • 開店記念パーティー
  • お説教券
  • 1日店主になれる券
  • 本棚命名券

意外と人気だったのは、お説教券でした(笑)
クラウドファンディングは、12月30日で終了し、無事66万8,300円(133%達成)の支援をいただくことができました。
ご支援いただいたみなさま、改めてありがとうございます!

ちなみに、この66万円の内訳はこんな感じです。

66万8,300円-10万8,596円(手数料)-37万5,000円(リターン費用)=約18万円

「それしか残らないの!?」と思う人がいるかもしれませんが、クラウドファンディングをしたことによるメリットはとても多かったと感じています。

クラウドファンディングをしたメリット

  • SNSでつながっている友人・知人が「あの人は本屋を始めた」と認知してくれる
  • 開店を楽しみにしてくれる人を増やせた
  • 本の受け取りを店頭にしたことで、お店に足を運んでもらえる機会をつくれた

予算に余裕がなかった分、お店の本棚は手作りして頑張りました!

本棚を手作り

そして、2019年2月21日、無事オープン!

カフネブックス

カフネブックスで取り扱っている本と店名の由来

カフネブックスで取り扱っている本は約300冊ほどです。
ジャンルとしては、生き方、働き方、書評本、韓国文学、ライティング、翻訳、絵本など。
店主の好みに偏っているので、好みは分かれるかもしれませんが、遊びにきていただけたらうれしいです。

カフネブックス 仕事系

カフネブックス 本棚

カフネブックス 本

また、カフネブックスという店名に使っているカフネという言葉は、私がとても好きな本である『翻訳できない世界のことば』で知りました。
この本は、ほかの言語では直訳することができない世界のさまざまなことばを集めた本で、日本語だと「積ん読」「わびさび」などが紹介されています。

翻訳できない世界のことば

カフネとは、ポルトガル語で「愛する人や家族の髪をなでる仕草」のこと。
そんな風に、「大切にしたくなる本を届ける本屋でありたい」という願いをこめてつけた店名です。

開店から4ヶ月ほど経った今のCafuneBooks

2月21日のオープンから4ヵ月ほどが経ちました。
最近のカフネブックスは、以下のような状態です。

  • クラウドファンディングの支援者さんがちらほら来店してくれる
  • 自由に生きている人だと思われるようになった
  • 「いつか行きたい」本屋から「行く理由がある」本屋へと成長しなくてはと思うように
  • イベントを月2回ほど開催。今後は週一くらいにしたい

実際に、本屋を始めようか迷っているときは心配ばかりでしたが、やり始めたらやりたいことがどんどん出てくるのだなと実感しています。
経営としては、まだまだ軌道に乗ったとは言えませんが、思いきってカフネブックスを始めてよかったです!

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この記事を書いた人

池野 花

池野 花

●2019年2月、田園都市線の池尻大橋駅近くに本屋をオープンしました。
●ライター歴は会社員時代と合わせて10年ほど。2017年7月からフリーランスのライターになりました。
企業や人物を取材してインタビュー記事を書いたり、集客のためにSEOを意識したコンテンツマーケティングの記事を書いています。
●日韓ハーフ(父:韓国 母:日本)で翻訳勉強中