『ぼくは蒸留家になることにした(江口宏志)』の感想

ぼくは蒸留家になることにした
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こんにちは!
CafuneBooksの池野花です。

読書をした感想をポッドキャストで配信し、その内容を音声入力して編集しブログに書いています。

読んだ本は、『ぼくは蒸留家になることにした』です。

『ぼくは蒸留家になることにした』の著者

この本の著者は、江口宏志(えぐちひろし)さん。
蒸留家になる前は、古書店を経営したり、ブックセレクトをしたり、イベントをプロデュースしたりという仕事をしていました。
そんな江口さんが、40代半ばで蒸留家になりたいと思った経緯や、蒸留家になるまでの経緯や修行、準備などについて語っています。

『ぼくは蒸留家になることにした』の感想

これまでと違う生き方をしようと決めた人の活動日記のように、ワクワクしながら読めます。
江口さんは40代半ばで転換されたそうですが、今となっては40代はまだまだチャレンジできる年齢だなと改めて思いました。

それと、本を読み進めていくうちに、江口さんの作っているフルーツ・ブランデーがとても飲みたくなります(笑)
しかし、江口さんのブランド『mitosaya』のWebショップをのぞきにいったら、全部在庫切れでした…。
インスタを見たところ、3日前くらいに在庫が追加されているよう。それが売り切れたようなので、人気があるんですね。
機会があったら飲んでみたいと思いましたし、蒸留所にも行ってみたいなと思いました。

全体を通じて感じたのは、江口さんの直感を信じて、行動するパワーです。
なにかやりたいことがある人は、触発されるのではないでしょうか。

では、『ぼくは蒸留家になることにした』の概要にうつります。

江口さんが蒸留家になった理由とドイツ修行

江口さんが蒸留家になりたいと思った理由は、本のイベントなどを通じて知り合った方々からの影響が大きいそう。
江口さんは、海外のアーティストやデザイナーのライフスタイルを紹介する海外雑誌を紹介するイベントがきっかけとなり、料理イベントをすることになります。

そこで、食というフィールドで固定概念を超えて、新しさや個性を表現する人たちの世界観が素敵だなと思い、そこには料理や魅せる技術、伝える技術があると実感します。
それまでプロデュースをする立ち位置で仕事をしていたけど、自分自身も技術をもちたいと思うようになったそう。

そんなとき、たまたま読んだ雑誌で、ドイツ人蒸留家のクリストフ・ケラーさんのインタビューに心惹かれます。
クリストフさんはもともと出版業をしていて、そこから転身して蒸留家になった。
クリストフさんの世界観や考えに共感し、すぐに会いたいという内容のメールを送ったそう。

すると、蒸留所を一般公開するタイミングがあるから、その時に来てはどうかと返事をもらい、家族と共にドイツに向かいます。
家族を連れて行ったのは、「きっと彼のもとで修行することになるんじゃないか」という直感があったそう。

蒸留所は、ドイツの田舎にあるのですが、多くの方が車で駆けつけ、すごくステキな雰囲気。
そして、ドイツ語で「ガイスト」といわれる蒸留酒を飲みます。
ブラッドオレンジから作られたガイストは、果物よりも味と香りが凝縮されていて、鮮烈な印象だったそう。

すっかり感銘を受けた江口さんはクリストフさんに弟子になりたいと伝え、日本に戻ってからもやり取りを続け、3ヶ月の修行に行きます。
蒸留の様子を横で見ながら学んだ3ヶ月はあっという間に終わります。

「まだ修行したい」という江口さんに、クリストフさんは「1日でも早く自分で始めた方がいい」と言います。
蒸留は経験がすべて。原料や気候や環境に影響を受けるので、日本で蒸留するなら環境も全然違うと。

そして、以下のことをクリストフさんは話します。

  • 蒸留はお金がかかる割に儲からない
  • ビジネスパートナを探すこと
  • 自分のやりたいA案があったとしても代替のB案も準備しておく
  • 蒸留だけで食べていけるまでに10年かかった

ドイツ修行後、蒸留所を開くまで

江口さんは帰国後、クリストフさんの作ったガイストを輸入販売するための準備をはじめます。
その理由は、以下の3つ。

  • フルーツ・ブランデーを日本で知ってもらわないといけない
  • 全国でイベントをして、蒸溜所を開く場所を探す
  • ビジネスパートナーを見つけたい

実際に、この期間に江口さんはブルーボトルコーヒーの石渡さん、クラフトビール『コエドブルワリー』の朝霧さんと出会い、ビジネスパートナーとなります。

その後は、お酒を売るための酒販免許取得。
なかなか取りにくい免許ですが、輸入酒と通販に限るという条件で取得できました。

さらに2度目のドイツ修行に行き、他の蒸留所を見る中で、クリストフさんが圧倒的に強いのはプレゼンテーション力だと感じます。
パッケージなどのレベルが他と全然違ったそう。

その後は、蒸留所を開く場所探し。
こだわったのは、果物が取れる、水がきれいな、ストーリーがある場所。

当初は、長野や山梨の山奥を考えていたそうですが、標高が高いところに建設すると建設費用が1億は超えると聞き断念。
最終的に、千葉県の房総半島の南に、元・薬草園を見つけます。

ブランデーの材料として使える、薬草やハーブが栽培されていて、千葉は果物の生産量が多く、東京にも成田にも近い。
その後は、保健所の許可、酒造免許の取得を進めていきます。

最終的に大変だったのは酒造免許の許可がなかなかおりなかったこと。
江口さんが申請したタイミングは、法定製造数量という何リットル以上作らないといけないという規制が緩和されたタイミングで新規申請数が多かったそう。

銀行から融資を受け、クラウドファンディングで資金を集めて、蒸留所も作って、果物ももある。
そんな状況で免許がおりるのを待つのはジリジリしそうですよね…。
無事に許可がおりて、製造を始められたそう。

江口さんの仕事のスタンス

行動力のある方なので意外だったのですが、江口さんの仕事のスタンスは、自分がグイグイ引っ張って物事を決めるタイプではないそう。
ビジネスパートナーからは「自分がいないと、江口さんは大丈夫かなと心配になる」と言われたこともある。

そして、客観的な視点を大事にしているそう。
ブランデーは嗜好性が高く、誰もが飲むものではないので、マニアックな方向に行く危険性がある。
でも、多くの人に飲んでほしいので、関連のありそうな情報はなるべくフラットに収集しているそうです。

まとめ

江口さんの作っている『mitosaya』は、パッケージがガラス瓶ですごくオシャレ。
女性にウケそうだし、男性も部屋に置いておきたいと思うようなデザインじゃないかな。
部屋に置いておきたくなるお酒というのは、意外となかったポイントじゃないかなと思いました。

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この記事を書いた人

池野 花

池野 花

人材系企業で求人広告の取材・ライティング、SEOコンサルティング会社で大手企業のオウンドメディアのコンサル・ライティングを経験。自分の取材好きを実感し、新たな出会いや経験を求めて独立。
知的好奇心をくすぐられる人を取材して、心揺さぶられたことを言葉にするのが特技。誰かの想いがうまく伝わらないときに、自分が言葉を翻訳して意思疎通ができたときに達成感を覚える。ライター業の傍ら、本好きが高じて「言葉」をテーマにした本屋カフネブックスを渋谷の隣り池尻大橋駅にオープン。「誰もが専門家」をビジョンに、自分が興味をもった専門家を招いて公開取材するイベントを開催している。