『WHO YOU ARE(ベン・ホロウィッツ)』の感想<1>

WHO YOU ARE
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こんにちは!
CafuneBooksの池野花です。

読書をした感想をポッドキャストで配信し、その内容を音声入力して編集しブログに書いています。

読んだ本は、『WHO YOU ARE』です。

『WHO YOU ARE』の著者

『WHO YOU ARE』の著者はベン・ホロウィッツさん。
HARD THINGS』というベストセラーを出しています。
(まだ読めていないので、今度読んでみようと思います)

『WHO YOU ARE』の感想

このブログを書いている時点で読んでいるのは、1/3ほどですが、かなり中身が濃く面白く読んでます。

『WHO YOU ARE』の概要

組織文化はどのようにして作るかという本。
歴史上の4名の例を紹介しています。

  • 奴隷の反乱であるハイチ革命を指揮した、トゥーサン・ルーヴェルチュール
  • 価値観より行動規範に重きをおいた、日本の侍
  • 征服した部族から最も優秀な人材を取り込んで、帝国を拡大したチンギス・ハン
  • 刑務所に入ってギャング団のリーダーになり、出所者のコミュニティ再建をしたシャカ・サンゴール

今日は、トゥーサン・ルーヴェルチュールの物語についてまとめられた章を読みましたので、その感想をお伝えします。

トゥーサン・ルーヴェルチュールの物語

1600年頃は世界の半数以上は奴隷。しかし、今では世界に奴隷はいません。

その奴隷制度廃止の大きなきっかけとなったのが、「ハイチ革命」です。
トゥーサン・ルーヴェルチュールは、フランス革命の時代にフランスの植民地だったサン=ドマングで、奴隷の革命「ハイチ革命」を起こしました。
世界中で奴隷の解放運動は起きましたが、建国にいたったのはハイチ革命だけです。

ルーヴェルチュールは、どのように軍隊の組織文化を作り、成し遂げたのでしょうか。
著者によれば、ルーヴェルチュールがハイチ革命を成し遂げられたのは、奴隷文化とヨーロッパ植民地文化のよい点をかけ合わせ、そこに自身の洞察力を加えて組織を導いたから。

ルーヴェルチュールは奴隷出身の黒人。
集中力にすぐれた人物で2時間くらいしか眠らず、バナナ2本と水いっぱいで2日を過ごせるような人だったそう。
使えていた農園主のもっていた本をよく読んでいました。

奴隷時代から、あの人は他の人と違うといわれていて、能力を認められて奴隷の身分から解放されるまでになった。
(当時、解放される奴隷は1,000人に1人もいなかったそう)

そんな折にフランス革命が勃発。
フランスの植民地のあちこちで反乱軍が立ち上がり、ルーヴェルチュールも反乱軍に加わります。

反乱軍に加わりながらも、ルイ16世の命を受けてるふりをしてみたり、ルイ16世がギロチンで処刑された後にサン=ドマングにイギリスとスペインが侵攻してきたときには、スペイン軍の大佐になったこともあります。
その翌年にはフランス軍に寝返り、結局スペインを制圧。
その後、イギリスにも勝利。
ここまでを10年ほどで達成します。

そこで、ルーヴェルチュールは実質的な独立国家がつくり、新憲法を作ります。
その憲法は奴隷制度を廃止し、人種に関係なく誰でも職業を選べるようにすると記されていました。

トゥーサン・ルーヴェルチュールの7つのテクニック

トゥーサン・ルーヴェルチュールの7つのテクニックは以下の通りです。

1.うまくいってることを続けていくこと

ルーヴェルチュール自身が考え出したゲリラ戦法と、最先端のヨーロッパの戦術を組み合わせて最強の部隊を作っていた

2.ショッキングなルールを作る

あえてショッキングなルールを作ることで、「なぜそんなルールを作るのか?」と兵士に問わせる。
その答えとして、「約束が何よりも大事だ」と伝え、軍の約束が大事であることを伝えた。

3.服装を整えた

元々、ルーヴェルチュール軍の兵士たちは裸で働いていた奴隷の人たち。
その人たちに、ヨーロッパの軍隊のように、キレイな軍服を着させることで、「自分たちが何者で、どんな使命をもって戦っているか」を常に自覚させた

4.外部からリーダーシップを取り入れた

ハイチ革命は、黒人と白人の戦いという構図があった。
植民地を支配していたのが白人で、奴隷が黒人という形です。

ルーヴェルチュールは、あえて白人の血が混ざった奴隷たちも軍に入れた。
それに反対する黒人の兵士は多かったが、ルーヴェルチュールは目の前でワインと水を混ぜて見せて、「混ざってしまったら、どっちがワインでどっちが水かなんてわからない。自分たちはこうやって生きていくしかないんだ」と語ったそう。

著者が現代の例として話していたのは、Tシャツを普段きている社員が多いBtoC企業が、BtoBの事業領域に拡大しようとするときに、きっちりスーツを着ているようなBtoB出身の人材を採用したがらないという例をあげていました。
事業領域を広げるなら、状況に合わせて自分たちも変わっていく必要があるのにと。

5.何が最優先かを行動で示す

サン=ドマングで勝利した時に、元奴隷の兵士たちは、自分を支配していた農園の所有者達に復讐をしたがったが、ルーヴェルチュールは一切禁じました。

なぜなら、サン=ドマングの経済は農作物によって支えられていて、農園主たちは農作物を作るノウハウをもっているから。
彼らが殺されてしまうと経済が回らなくなってしまう。

ルーヴェルチュールは、農園主たちを生かし、土地の所有も許した上で、労働者たちに必ず賃金を払うことを要求しました。
この行動によって、ルーヴェルチュールは「革命は復讐のためにあったわけではなく、国を経済的に繁栄させることを最も重視している」というメッセージを強く打ち出した。

6.言行を一致させる

自分が兵士たちに求めたのと同じことを自分も同じようにやる。
ルーヴェルチュールは自分自身の価値観を軍の規範として据えたので、言行が一致していた。
それによって、兵士たちからも信頼を得ていた。

7.倫理観をはっきり打ち出す

ルーヴェルチュールは、個人の勤勉さ、社会としての倫理教育、宗教の自由、自由貿易、市民としての誇り、人種の平等という倫理観をはっきりと打ち出します。
兵士たちには常々、「欲望に負けてせっかくの勝利を棒に振るな。敵を追い出すことができれば自分たちが一番大切なことについて考える時間が持てる・それは自由である。自由が滅びないように私たちは戦ってるんだ」と話していたのだそう。

トゥーサン・ルーヴェルチュールの物語の感想

実は私、世界史にそこまでくわしくありません。
フランス革命は、マンガの「ベルサイユのばら」で学びました(笑)

そんな私でも、ハイチ革命は歴史的な出来事だったのだと感じました。

ルーヴェルチュールの最期にも思うところがありました。

ルーヴェルチュールは憲法を発令して独立を宣言したことで、フランスを統治していたナポレオンの怒りに触れ排斥されてしまいます。
その際、ルーヴェルチュールの右腕だったデサリーヌ将軍がナポレオンと結託し、ルーヴェルチュールをナポレオンに引き渡し、ルーヴェルチュールは獄中で亡くなります。
その後、ナポレオンは奴隷制度を復活させようとしますが、ルーヴェルチュールの残っていた軍隊と戦い、ナポレオン軍は過去のどの戦いよりも深い痛手を受けたそう。

そして、ルーヴェルチュールを裏切った二番手のデサリーヌが、最終的にナポレオンを倒し、実権を握ってハイチを支配していくことになります。
そこでデサリーヌは、ルーヴェルチュールなら絶対にやらなかったようなことをやってしまう。

白人のフランス人はほとんど処刑し、農地をすべて国有化したんです。
その後、ハイチはフランスから国家として認められますが、この当時のフランスに与えた損害と引き換えに、莫大な賠償金を請求され、現在も貧しい国のひとつとなっています。
ルーヴェルチュールは生きていたら、まったく別の国になっていたかもしれないなと感じました。

組織文化に対しての所感

この本の中で、著者は「偉大な組織文化があれば、偉大な企業になるわけではない」と語っています。
しかし、組織文化はそこで働いていたときの気分、自分がどんな人間になったかがわかる大事な要素であり、物事がうまくいかないときの拠り所になる。

そんな言葉を読みながら、自分のことを振り返ると、一番長く勤めた会社の制作部のときのことがよみがえります。
週に2日くらいは徹夜するような激務の時代があったのですが、組織の雰囲気はわりとよかったんですよね。

みんなが大変で外で取材して原稿をひたすら書いて、その仕事が会社を支えているという自負をもてる雰囲気がありました。
個人的には、そこで働いたことで、働く体力やストレス耐性がついたのは間違いないです。
そして、自分の居場所がある心地よさをそれぞれが感じながら働いていたので、ファミリー的でした。

私はフリーランスをしていますが、仕事上のスキルなどは一番最後に勤めた会社で学んだことが多かったですが、自分自身の腹の据わり方なんかは間違いなく2社目の制作部で作られたなと思っています。
もし今、「週2日徹夜してください」って言われたらイヤですけど、あの時期は社会人としての青春だったなとも思います。

一緒に働いてた人たちは、別の会社にいたり、今も会社に残っていたりで、価値観は変わってきている部分があると思います。
でも、どこかで親戚のような家族のような、一体感みたいなものは今も持っていたりするんですよね。
同じ企業文化で育った人を大切に思いますし、その文化が自分の一部になっている感覚はあるなと改めて思いました。

なんだか締めの言葉のようですが、まだこの本は三分の一しか読んでいません(笑)
続きも面白そうな予感がしますので、3、4回に分けてお伝えしていければと思います。

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この記事を書いた人

池野 花

池野 花

人材系企業で求人広告の取材・ライティング、SEOコンサルティング会社で大手企業のオウンドメディアのコンサル・ライティングを経験。自分の取材好きを実感し、新たな出会いや経験を求めて独立。
知的好奇心をくすぐられる人を取材して、心揺さぶられたことを言葉にするのが特技。誰かの想いがうまく伝わらないときに、自分が言葉を翻訳して意思疎通ができたときに達成感を覚える。ライター業の傍ら、本好きが高じて「言葉」をテーマにした本屋カフネブックスを渋谷の隣り池尻大橋駅にオープン。「誰もが専門家」をビジョンに、自分が興味をもった専門家を招いて公開取材するイベントを開催している。