『WHO YOU ARE(ベン・ホロウィッツ)』の感想<2>

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こんにちは!
CafuneBooksの池野花です。

読書をした感想をポッドキャストで配信し、その内容を音声入力して編集しブログに書いています。

読んだ本は、『WHO YOU ARE
前回に引き続き、2日目です。

ハイチ革命を成し遂げたトゥーサン・ルーヴェルチュールに学ぶ組織文化についてが語られている章を読みました!

ルーヴェルチュールの7つのテクニックを現代の企業に当てはめる

ルーヴェルチュールの7つのテクニックと、現代企業の例の概要です。

1.うまくいってることを続けていくこと

事例としてアップルが紹介されていました。
ご存知の方も多いと思いますが、アップルのスティーブ・ジョブズは一度アップルを追放され、戻ってきてアップルを立て直しました。
ジョブズが戻った頃は、アップルは経営の危機に瀕していました。
幅広い事業領域に手を出し、マイクロソフトの真似をしている状況。

ジョブスは経営会議で「プロダクトがくそになっている」と話し、アップルの本来の強みであるプロダクトの美しさやデザイン性を大事にするものづくりへの回帰を決めました。
その結果、現在のアップルがあります。

2.ショッキングなルールを作る

ショッキングなルールのポイントは、記憶に残り、聞いた人が「なぜ?」と問いかけたくなる内容であること。
そして、企業文化に直接影響があり、ほぼ毎日使うルールが望ましいそう。

一例として、Amazonの「質素倹約」が挙げられていました。
かつてAmazonでは、安いドア板を買ってきて、それに脚をつけて、社員の机にしていたそう。
すると、転職してきた社員が驚き、「なぜ、こんな机なんですか?」と聞きます。

それに対して「節約できるものはすべて節約し、その分ユーザーに最安値で最高のプロダクトを提供するのがAmazonだからだ」と答えていたそう。
(現在は Amazon は安く手に入る机を使っているそうです)
転職したらドア板の机だったらビックリしますよね(笑)

Amazonの他のルールに、「深く潜れ」というものもあります。
会議でのパワーポイント使用は禁止されていて、会議の発案者は短くまとめたテキストの資料を作り、議題と自分の意見を説明。
参加者が一読してから会議が始まるというルールがあるそうです。

こちらは、以前どこかで聞いたことがありましたがいいですよね。
パワポは作成し始めるとアニメーションなどを入れ始めたり、作るのに時間がかかります。
その割に、中身はつまっていないみたいなことになりがちですよね。

もうひとつ紹介されていたのが、Facebookです。
Facebookが当初、myspaceというSNSサービスを追っていたころの企業文化は、「すばやく動き、破壊せよ」というメッセージ。
このメッセージによって、既存の仕組みを壊すかもしれないけれども重要な決断を、エンジニアが下しやすくなった。
その後、myspaceを追い抜き、FacebookがSNSサービスからプラットフォームを目指していくフェーズでは、「インフラを安定させたまま素早く動け」とメッセージは変わったそう。

3.服装を整える

紹介されていたのは、ゼネラルモーターズの事例です。
新たにやってきた経営陣は、同社の官僚的な組織の雰囲気を変えようと考えていました。

そこで改訂したもののひとつが服装規定。
10ページもあった服装規定を「適切な服装をすること」という一言に変更しました。

すると、社内から異論が出たものの、よくよく聞いてみると「この部署は急に役所に行かなきゃいけないことがあるから、どうしたらいいか」などの個別の事情が多かった。
「それは、緊急時に着替えられるようにすればいい」と個々人が適切な服装を考えればいいだけの話だったそう。

この事例は、あまりピンとこなかったのですが、個人的に思い起こしたことがありました。
私が求人広告の制作をしてた頃のことです。

長時間勤務で大変だったのですが、服装は明確なメリハリがあったんですよね。
営業職はみんなスーツでしたが、制作部は基本的に私服でOK。
Tシャツとジーパンの人がたくさんいました。
もちろん、取材でお客さんのところに行く時はスーツに着替えられるよう、スーツを会社に常に置いてました。

あのとき、ずっとスーツで働かないといけなかったら、けっこうキツかったと思うんですよね。
夜中まで仕事するのに、きちんとした格好じゃなきゃいけないとしたら、くつろげなくて余計に疲れがたまった気がします。

服装に関して思うことはもうひとつあります。
私が尊敬していた上司は、常にパリッとしたオーダースーツを着て、革靴もいつもピカピカな人でした。
オシャレなイタリア人みたいな感じです。

その人は、ちょっと服装がだらしない営業の男性に、スーツの選び方や靴磨きの方法を教えていたんですよね。
そして、ボーナスが入ったぐらいに、「いいスーツの買い方を教えてやる」と言って、買い物ツアーみたいなことをしていました。

そうすると、実際に営業の男子の身のこなしがパリッとするんですよ。
営業はデキる雰囲気があると売上が上がるというのはあるみたいで、その後売れる営業になった人もいました。
服装によって、本人も仕事ができるモードになるというのもけっこう大事なんだろうなと思いましたね。

4.外部からリーダーシップを取り入れた

この章では、著者の会社が企業向けの事業領域に拡大した際に、今までいなかったようなタイプの人を採用したエピソードが紹介されていました。
企業文化との不協和音が起きたけれども、その人が会社の業績をすごく伸ばしたそうです。

5.何が最優先かを行動で示す

ここでは、Netflix(ネットフリックス)の事例が挙げられていました。
最近は日本でのユーザーが非常に伸びているので知っている人も多いと思いますが、実はけっこう古い会社なんですよね。
1997年に設立されていて、当初は郵便でDVDを配送するレンタル業をしていました。

創業者のヘイスティングスは、当時からいずれはネットワークの時代になると考えていたために、社名をメールDVDなどではなく、Netflixという社名にしたそう。
先見の明がある人だったんですね。

事業がDVDからネットへと転換する中で起きたことは、なかなかネット事業に舵を切るのが難しかったこと。
そこでヘイスティングは、何が最優先かを示すために、会社の経営会議からDVD事業の幹部を追い出します。
ちょっと気の毒な気もしますが、その行動によって「Netflixはネットでの動画配信の会社になるんだ」と社内に示したそう。

6.言行を一致させる

前回のアメリカ大統領選挙ではトランプさんが勝利しましたが、ヒラリー陣営がなぜ支持を失ってしまったかについて触れられていました。
事の発端は、ヒラリーさんが機密情報を個人のメールでやり取りしていて、それが機密漏えいにつながったこと。
詳細は割愛しますが、ヒラリーさん自身は些細なことだと思っていても、それが結果的に大きな問題になってしまったようです。

7.倫理観をはっきり打ち出す

事例として、ウーバーの企業文化が説明されていました。
私は、あまりブーバーの企業文化にくわしくなかったので意外性がありました。

ウーバーは企業理念などはわりあいしっかりしていたそうです。
しかし、その裏側にある倫理観はシンプルにいえば、「絶対に負けられない」ということでした。
そのことが、さまざまな不祥事を隠そうとしたり、自社の過ちを認めなかったりして、かえって問題が大きくなってしまったという事例でした。

こうした事例を通じて、倫理感は「なぜ?」という質問に必ず応えられる内容でなければならない。
何をするかという行動を大量に並べても、それはやるべきことの一つでしかなく、意味がないということでした。

最後に

今回は、ルーヴェルチュールのポイントを現代企業がどのように活かしているかという話でした。
次回は、いよいよ日本の侍の話になります。
日本の侍が、組織文化という切り口でどのように語られるのか、興味深いです。

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この記事を書いた人

池野 花

池野 花

人材系企業で求人広告の取材・ライティング、SEOコンサルティング会社で大手企業のオウンドメディアのコンサル・ライティングを経験。自分の取材好きを実感し、新たな出会いや経験を求めて独立。
知的好奇心をくすぐられる人を取材して、心揺さぶられたことを言葉にするのが特技。誰かの想いがうまく伝わらないときに、自分が言葉を翻訳して意思疎通ができたときに達成感を覚える。ライター業の傍ら、本好きが高じて「言葉」をテーマにした本屋カフネブックスを渋谷の隣り池尻大橋駅にオープン。「誰もが専門家」をビジョンに、自分が興味をもった専門家を招いて公開取材するイベントを開催している。