『WHO YOU ARE(ベン・ホロウィッツ)』の感想<3武士道編>

WHO YOU ARE 武士道
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こんにちは!
CafuneBooksの池野花です。

読書をした感想をポッドキャストで配信し、その内容を音声入力して編集しブログに書いています。

今回読んだ本は、『WHO YOU ARE
前々回前回に引き続き3日目です。

今日読んだ章は、日本の侍、シャカ・サンゴールの武士道についての章を読みました!

日本の侍の武士道

著者がこの本を通して度々語っているのは、「組織文化を築くために必要なのは信条ではなくて行動である」ということ。
武士道を取り上げた理由は、武士道は価値観ではなく徳の体系だから。
(徳とはよい行いのことで、武士道は行動が体系化されたもの)

武士道は「死」と切っても切り離せない。
そして、企業文化が脅かされるのは、危機が起きた時。
だからこそ、いつでも死を意識し戦える準備をしていた侍から学ぶことは多い。

著者は、「働く目的はなんでもいい」と語ります。
仕事そのものに意義があることが企業の接着剤になると考えている。
自分がしている仕事そのものに意義を見出すが大事なんだ。
そして、武士の心得から「名誉」と「誇り」と「誠」という3つについて語られていました。

そして、著者の会社の話へ。
著者は、「アンドリーセン・ホロウィッツ」というベンチャーキャピタルを経営。
企業文化を作る上で大事にしたのは起業家への尊敬を文化に反映させること。

ベンチャーキャピタルは、起業家に資金を提供する仕事なので、自分たちが上の立場だと勘違いしてしまいがち。
しかし、そうではないことを企業文化として浸透させたかったそう。

そこで、起業家への尊敬がない行動を以下のように具体的に書き出し、それをしてはいけないという形で文化を浸透させます。

  • 時間を守り、たとえ悪い知らせでも速やかに返答し、本質的なフィードバックを返す
  • 未来が明るいことを信じ、起業家の努力を信じる。決して公の場で起業家を批判しない
  • たとえ痛みを伴っても真実を伝える。ただし、人の心を傷つけたり咎めるような些細な真実をくどくどと言わない

もうひとつ事例として挙げられていたのが、著者が所属していたネットスケープという企業。
インターネット黎明期にブラウザーなどを開発した会社です。

ネットスケープでは、物語や格言を伝えることで組織文化を作ったそう。
元々、ネットスケープはディベートクラブのような雰囲気でした。
意思決定に全員が口を挟んですぐ議論になるし、議論に負けた人は何度でも決定事項を蒸し返すので、物事が前に進まなかったそう。

その文化を変えなければいけないと考えたのがジム・バークスデール。
バークスデールさんが、文化を変えるために社員に語った話が後々まで語り継がれているそう。

その内容は、ネットスケープには3つのルールがある。

  1. 蛇を見たたらその場で殺すこと。その際、部会を招集したり仲間に連絡したりチームを組んだり会議したりする必要はない。ただ殺せばいい
  2. 死んだ蛇をいじらないこと。既に決まったことに時間を無駄にする人が多すぎる
  3. どんなチャンスも最初は蛇のように見える

こうしたキッカケでネットスケープの文化は変わり、今ではインターネットに浸透してる技術をたくさん生み出します。
セキュリティの課題から生まれたSSLの技術、接続情報を保存するクッキー、コードを書くのを簡単にするために生まれたJavaScriptなど。

武士らしいギャング団のボス、シャカ・サンゴール

個人的には、日本の侍よりも、こちらの章を面白く読みました。
サンゴールは、殺人罪を犯して刑務所に入り、刑務所の中でギャング団を組織してさまざまな掟を作り、巨大なギャング団を組織した人物。
現在は刑期を終え、出所した仲間たちが社会で構成できるようなコミュニティ再建をやっていたり、ベストセラー作家でもありそう。

著者はサンゴールに出会う機会があり、話したところ、著者がこれまで話した人間の中で最も深い洞察力を持った方だった。
刑務所はさまざまな人生の背景をもった人が集まり、なにかしら社会のルールを犯した人たちが入ってくる場所。
そんな最も文化を醸成しにくい場所で、サンゴールはどのように組織文化を作ったのでしょうか?

サンゴールが刑務所に入ったのは19歳。
刑期は40年で60歳までここにいると考えると、ここが自分の家になると考えたそう。

刑務所には5つのギャング団がありました。
ギャング団は商売の元締めみたいな存在で、団員を守り、ドラッグやタバコを流したりする組織。

サンゴールは、メラニックスというタフな男ばかりで掟が厳しいことで知られるギャング団に入ります。
入ってみると、リーダーはカリスマっぽいけれども中身がないと気づいたサンゴール。

クーデターなどの暴力で支配できる文化ではなかったので、心理的な懐柔が必要と考えます。
「自分たちの掟を守らないリーダーは、本当にリーダーといえるのか?」と語り、若い人たちをどんどん味方につけていきます。
サンゴールがトップに登るにつれて、元々の上層部はアドバイザーのような存在になっていたそう。

メラニックスの掟の基本は団員に責任をもつこと。
そのほか、仲間の弱みにつけこまない、仲間に暴力はふるわない、自分が接してほしいように仲間に接するなどのルールがありました。

読み書きができない団員のために、サンゴールはメラニックスの文化を浸透させるため、週に1、2回の勉強会を開催します。
サンゴールが選んだ本をわかりやすく要約した教本を書き、それを団員に読ませたそう。

(その勉強会で使用した本がいくつか紹介されていて、『思考は現実化する』は読んだことがありました。
『原因と結果の法則』は自宅にあってまだ読んでいないので、今度読んでみたいと思います)

そんな勉強会を続けていくうちに、メラニックスに入団して2年で、シャンゴールは文化リーダーというポジションになります。
そして、メラニックスの文化をどんどん醸成していきます。

サンゴールが土台にしたのは帰属意識と忠誠心。
なんだか、すごく武士っぽいですよね。
著者も、武士の時代に生まれていたらサンゴールはきっと優れた武士になっていたんじゃないかと語っています。

入団条件は二つ。

  1. 団の依頼を実行して終身刑になる覚悟があること
  2. 死ぬ覚悟があること

当時、メラニックスの団員数はライバルのギャング団の半数以下でしたが、喧嘩が始まると全員が結束して動けるので絶対に負けなかったそうです。
他のギャング団は人数が多くても、いざ喧嘩になると8割は逃げてしまうという感じだったそう。
メラニックスは確固たる結束があったのだそう。

そして、サンゴールが大事にしていたのは、必ず一緒に食事すること、特別な食事を手に入れたら分け合うこと、自分が読んだ本について話すこと。
やはり、いつも一緒にいることは結束を強くなるなと思いました。

シャンゴールの武士道の章を読んでの感想

自分が過去一番、帰属意識が強かったのはいつだろうと考えると、最近よく話している10年以上在籍した会社の制作部時代。
長時間勤務ということもあって、本当に同じ釜の飯を食べるという感覚がありました。

最近は会う機会は減っていますが、会えばすごく楽しく話せるところは、そのときにつながっていた感覚が強いからでしょうね。
そして、その組織の雰囲気を作っていたのは、私が尊敬していた上司でした。

その上司は、どんなに忙しくても昼飯は外にみんだで食べに行くことを大事にしていました。
やっぱり仕事が忙しいと時間の余裕がないので、ちょっとコンビニでお昼ご飯を買ってきて、サンドイッチ片手に昼休みもろくにとらずに仕事することもありました。
すると、その上司が寄ってきて「そんなもん食べても栄養にならないぞ。気分転換も必要なんだから飯いくぞ」とみんなを誘い出していたんですよね。

私が覚えているのは、会社の隣にある中華料理屋によく行ったこと。
近いので、もっとも早くお昼ご飯を効率的に食べられました(笑)

そのお店は定食のおかずの量がけっこう多いんですよね。
そうすると、ひとりで同じおかずだと食べ飽きるので、みんなが違うものを頼んで取り皿をもらって、大皿料理みたいにして分け合うのが常でした。
まるで家族の食卓みたいだったので、「なんか家でご飯食べてるみたいですね」といったら、「まぁ、家族みたいなもんだろ」と上司が言ったのが印象に残っています。

その上司は、私から見たら上司の上司だったので、一緒にいた時間がすごく長いわけではないんですが、自分の中にかなり大きな印象を残しています。
そして、トップがそういう人だと、組織もそういう雰囲気になるんですよね。
その上司が異動した後も、忙しくても同僚とよくランチに行って、たわいもない話をしていました。

とにかく一緒にいる時間が長いので、お互いの良いところも悪いところもよく見えるんですよね。
「こういうところ、すごいよね」と褒め合ってみたり、「それはちょっと考えすぎなんじゃないの」と言われたり、率直に言い合える関係性の同僚が多かったです。
やっぱり一緒にいる時間は、人間関係を深めるなと思います。

これでやっと、本の半分くらいまで来ました。
あと2~3日かかると思いますが、中身がけっこう濃いので、しっかり読んできたいなと思っています。

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この記事を書いた人

池野 花

池野 花

人材系企業で求人広告の取材・ライティング、SEOコンサルティング会社で大手企業のオウンドメディアのコンサル・ライティングを経験。自分の取材好きを実感し、新たな出会いや経験を求めて独立。
知的好奇心をくすぐられる人を取材して、心揺さぶられたことを言葉にするのが特技。誰かの想いがうまく伝わらないときに、自分が言葉を翻訳して意思疎通ができたときに達成感を覚える。ライター業の傍ら、本好きが高じて「言葉」をテーマにした本屋カフネブックスを渋谷の隣り池尻大橋駅にオープン。「誰もが専門家」をビジョンに、自分が興味をもった専門家を招いて公開取材するイベントを開催している。